「エネルギーの使用と合理化に関する法律」(以下、「省エネ法」という)の改正により、2015年4月以降、モータの製造事業者が出荷するモータや輸入されるモータは、省エネ基準を達成していなければなりません。すでに現行品の出荷を停止し、「トップランナー(高効率)モータ」への切り替えを進めている製造事業者もいるようです。
モータの効率レベルは世界的な規格であるIEC規格(国際電気標準会議)で規定されており、IE1(標準効率)、IE2(高効率)、IE3(プレミアム効率)と定められています。日本では2015年4月以降、IE3が規制値として求められる模様ですが、現在国内で適用されているモータのほとんどがIE1であり、早急に対応策を練らなければいけない時期に差し掛かっています。
2015年度に新製品をリリース予定の機械メーカーC社では、新製品へ組み込む部品を選定するため情報収集を進めていましたが、モータ選定の段階でとある壁に直面してしまいました。設計部長のK氏はこう話します。
「詳しい情報はわからないのですが、2015年4月から省エネ法が改正されるとのことで、その条件を満たしたインダクションモータを選定する必要があったのです」
自社の製品を確認してみると、すべてのインダクションモータがIE1であることが判明。新製品には、省エネ法の基準を満たしているIE3のインダクションモータを採用する必要がありました。
K氏はさっそく、これまでインダクションモータで取り引きしていたメーカーに問い合わせてみましたが、金額や製品スペックなど、具体的な情報を得ることができませんでした。
「メーカー側も、IE3対応について情報収集している段階で、他社の出方を探っているような状況でした。他のメーカーはどうですか?と質問を受けてしまうほどでしたよ」(K氏)
K氏は引き続き、各メーカーに問い合わせますが、それらの情報をかき集めて比較してみても、どのメーカーのインダクションモータが最適なのか判断できない状況でした。
具体的な記事や採用事例のようなものも現時点では見つからず、このままでは新製品開発がストップしてしまいます。
省エネ法改正で、IE3のインダクションモータ採用が義務付けられる
IE3のインダクションモータを採用したいが、情報が少ない
最適なモータが選定できなければ、新製品開発がストップしてしまう