海外の仕事では、3つの"な"が大切
私が昔、先輩から教わった海外で働くときに大切な3つの"な"というものがあります。それが「ならう、なれる、なじむ」。現地の文化や慣習をしっかりと習い、それに慣れ、なじむのが大切だということです。例えば簡単な一言でもいいので、現地の言葉であいさつしてみる。すると「この人は私たちの文化に歩み寄ろうとしている」と好感を持ってくれるんです。
それはすごくわかります。タイでも頑張って現地の言葉を交えて会話すると、現地の人たちは「おっ!」と喜んでくれますから。
実は以前、"ならう"の部分で失敗した経験があるんです。一度、遠方の大きな取引が決まった直後に、先方からお酒の誘いを受けました。中国はお酒と仕事がとても密接な国です。しかし私は、帰りの飛行機の時間が迫っていて、誘いを断ってしまったんです。すると翌日、「私たちの文化を理解してくれない人とは取引できない」と言われてしまって。
それは驚いたでしょう。
本当にびっくりしましたよ。だけどそのような文化を重んじ、大切にしている人が中国にはたくさんいる。「異文化に対する理解が足りなかったな」と反省した出来事です。
確かに、中国や東南アジアでは、ビジネスにおいても人と人の結び付きを大切にしていますよね。"なじむ"という点では、タイではゴルフがとても盛んで、私も週末に取引先やその知人の方を交えてよくプレイします。ほかにも社員の誕生会を開いたり、みんなで社員旅行に行ったりすると、皆とても喜んでくれる。そのような距離の近さは、日本とは違う部分かもしれませんね。